ドローンの国家資格について
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■はじめに
2022年12月5日よりドローンの国家資格(操縦ライセンス制度)が施工されて2年が経過しました。
今回はドローンの国家資格(操縦ライセンス制度)が施工されて、どのような影響を与えるのかについて解説していきます。
従来の民間資格との違いや国家資格を取得するメリットについても説明していきます。
■ドローン国家資格(操縦ライセンス制度)が開始される背景
2015年に当時の安部首相が「ドローン配送を目指す」と発言されました。
2017年には空の産業革命に向けたロードマップが発表され、その後「操縦者や運行管理者の資格制度」という一文が追記されます。
その時からドローン操縦士の国家資格制度が想定されました。
国家資格が開始される背景の理由として、下記の二つが挙げられます。
- 労働力不足を解決するための新しい産業の創出
運送業界で話題となっている「2024年問題」です。
働き方改革関連法によって2024年4月1日以降、トラックドライバーの年間時間外労働時間の上限が制限され、一人あたりの労働時間が短くなり、トラックドライバーが不足。
今後、運送業界の労働力不足が予想されるなかドローンを活用して荷物を配送することで労働力不足を解消したい狙いがあります。 - 国土交通省の作業工数を削減する
ドローンに関する飛行許可申請は年々増加しています。この承認作業は国土交通省にて行っていますが、作業負荷も年々増加しており、一定の水準以上の操縦スキル、知識を有している人は許可申請無しで飛行できるようにしたいという狙いがあるようです。
■ドローン国家資格の有用性
現在は、ドローンの国家資格を有していなくても、飛行場所や飛行方法によっては引き続きドローンを飛ばすことができます。
ドローンの国家資格を取得するメリットとしては、これまで飛行できなかった場所での飛行が可能になり、申請・許可の手間が省略化できます。
また、ドローン操縦士として国家資格は明確なスキル証明(技能証明)となります。
ドローン関連のお仕事に携わっている方やこれからドローンビジネスに参入したい方、あるいはドローン操縦士として転職したい方は、国家資格の取得を目指すことを推奨します。
■ドローン民間資格の有用性
現在まで、民間資格を有していることで飛行許可申請の一部が省略化できておりました。しかし、2025年12月より民間資格は国土交通省への飛行許可申請を行う際の効力が無くなります。
これによって、国家資格の有用性が高まるとともに、国家資格取得者の価値が上がることが予想されます。
それでは、民間資格の価値がなくなってしまうのかという問題がありますが、ドローン操縦士の経験者という証明がなくなるわけではありません。
国家資格には及ばないもののスキルの証明や、ドローンの国家資格講習をスクールで受講する際に経験者として受講できます。未経験者と経験者では、受講料に大きな開きがあるので、民間資格から国家資格にステップアップする時に費用を抑えられます。
■ドローン国家資格の今後
上記でお話しました通り、国家資格の有用性が大きくなり、国家資格取得者の価値が上がることが予想できます。
現在は、国家資格を有していなくても飛行許可・申請をすることでドローンを飛ばすことができますが、飛ばせる範囲は徐々に条件付きや、狭まったりすることが予想されます。
ビジネスでドローンを活用する場合には、飛ばせる範囲の条件や制約はビジネスの幅を狭めてしまいます。国家資格を取得することで、今後のドローンビジネスの幅は広がります。
では、いまドローンの国家資格を取得する必要があるのかお答えします。
2024年10月時点でドローン国家資格の保有者は約19,400人です。2023年の飛行許可申請数は81,428件でした。飛行許可申請の数とドローンパイロットの数はイコールではありませんが、空の産業革命が進むなか、ドローンの国家資格の取得者数は少ないと思われます。
この場合、他社との差別化として今、国家資格を取得するメリットがあります。
また、国家資格が施行されて2年しか経過していないため、実技試験や学科試験の難易度も年々難しくなる傾向にあります。
■おわりに
ドローンビジネスの検討や、ドローンの導入、ドローンパイロットを目指したい方は、是非弊社へご相談ください。